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法テラスで債務整理の無料相談はできるのか?借金問題の費用や流れについて解説

法テラス債務整理無料相談

法テラスは、経済的に困窮している人を対象に無料で法律相談を行える公的機関です。そのため、以下のような悩みや疑問を抱えている人が多いのではないでしょうか?

「法テラスで債務整理はできるのだろうか?」「法テラスへ相談することで、債務整理費用は無料になるのだろうか?」

結論から言うと、法テラスへの債務整理相談費用は無料です。ただし、無料なのは「相談のみ」であり、債務整理を行う場合は別途費用が発生します。そもそも債務整理は交渉や法的手続きが必要であるため、弁護士への相談のみで解決はできません。

この記事では、法テラスで債務整理の相談を行う場合、費用は無料なのか?法テラスへ相談した場合の流れは?について解説しています。債務整理を行ううえで、法テラスの利用を検討されている人は、ぜひ参考にしてください。

目次

法テラスへ借金相談をしても費用を「無料」にはできない

法テラスの借金相談

法テラスは、国が運営する「法的相談窓口」という位置付けです。通常、法律相談を行うためには弁護士や司法書士などの法律の専門家へお金を支払い、相談をしなければいけません。

相談費用は専門家によって異なりますが、経済的な事情で法律相談をできない人も多くいます。すべての人が平等に法律相談を受け、法律の保護を受けられるようにするためにあるのが法テラスです。

つまり、法テラスは「経済的な理由が原因で法的保護を受けられない」といったことが起こらないようにするためにある法人です。とはいえ、法テラスですべての法的問題を解決できるわけではなく、あくまでも「相談まで」が無料対象となります。

まずは、法テラスへの相談はどこまで無料なのか?債務整理を行う場合の費用はいくらなのか?などについて詳しく解説します。

法テラスは借金の「相談」までは無料で対応してくれる

法テラスは、同一の問題で3回まで無料で相談できます。たとえば、借金に苦しんでいる人が「借金問題を弁護士へ相談したい」と考えた場合、3回まで無料で相談可能です。

ただ、借金問題は弁護士へ相談をしたところで解決はしません。債務整理を行う場合は、債権者(お金を貸している相手側)との交渉もしくは、裁判所を介した法的手続きが必要であるためです。

そのため法テラスへ借金の相談をしても、借金問題の根本的な解決には至りません。債務整理を行うためには、弁護士等と契約をしたうえで交渉もしくは法的手続きを行う必要があります。

法テラスでは、契約している弁護士事務所を紹介してもらえます。法テラスを介することで、提携先の弁護士もしくは司法書士への相談が可能です。

法テラスは費用を抑えられる点が特徴

法テラスへ債務整理を依頼する場合、弁護士や司法書士へ直接依頼した場合と比較して、費用を抑えられる可能性が高いです。

弁護士や司法書士と比較して、法テラスが安い主な理由は以下のとおりです。

法テラスが安い理由
  • 民事法律扶助制度の範囲内で報酬が決められている
  • 報酬金が発生しない

法テラスでは、債務整理費用を立替える「民事法律扶助制度(詳しくは後述)」という制度があります。本制度で立替られる上限が決められており、提携先の弁護士・司法書士事務所は上限範囲内で手続きを行ってくれるためです。

通常、弁護士や司法書士へ支払う債務整理費用は各事務所で自由に決定して良いことになっています。一方で、法テラスを利用することで民事法律扶助制度の範囲内となるため、費用を抑えられます。

また、任意整理という整理手続きを行う場合、通常発生する「成功報酬(減額報酬金)」が発生しません。その分、費用を抑えられるのも法テラスを利用するメリットです。

たとえば、任意整理を弁護士・司法書士へ直接依頼した場合、法テラスを介した場合の費用相場は以下のとおりです。

【※注意】弁護士、司法書士への相談料(報酬)は各事務所で大きく異なります。あくまでも、平均的な価格として参考にしてください。

任意整理を依頼した場合の費用相場

相談先費用の目安
弁護士着手金3万円+成功報酬
司法書士3万円~5万円程度
法テラス43,000円
参考:法テラス|任意整理費用の目安

弁護士事務所は、着手金として3万円前後の費用が発生します。任意整理交渉を行い、和解が成立した場合は減額できた金額の10%相当が成功報酬として発生するケースが多いです。

たとえば、任意整理によって将来の利息(仮に100万円)をカットできた場合、「100万円×10%=10万円」の費用が成功報酬として発生します。つまり、合計13万円相当の費用が必要です。

司法書士の場合、任意整理費用に着手金および成功報酬が含まれているケースが多いです。すべて含めた金額で3万円〜5万円程度の費用が必要となります。法テラスの場合は、着手金33,000円と実費10,000円合計43,000円程度となることが多いです。

なお、上記金額はあくまでも1社のみを任意整理する場合に発生する費用です。複数社と交渉が必要である場合は、さらに費用が増します。

一見すると、司法書士がもっとも安い価格で任意整理をできるように思われるでしょう。しかし、司法書士(認定司法書士)が扱える債権額は1社あたり140万円以下と定められているため、債権額が140万円を超える場合は弁護士への相談が必要です。

法テラスは債務整理費用の立替制度を利用できる可能性がある

法テラスを介して債務整理を行う場合、費用の立替制度を利用できる可能性があります。債務整理費用は、手続きによっても異なりますが数万円〜数十万円程度かかります。

とくに借金に苦しんでいる人の多くは、「債務整理費用を捻出できる余裕がない」と悩まれている人が多いです。そういった人たちが検討すべきなのが、法テラスの立替制度である「民事法律扶助制度」です。

民事法律扶助制度は、一定の条件を満たした人を対象に債務整理に必要な費用を国が立替てくれる制度のこと。法テラスの趣旨は、「借金問題等、法律問題を抱えていながら経済的な理由で法律相談ができない人を助け、安心した社会生活を実現すること」です。

つまり、経済的な理由で法律問題を解決できない人を減らそうという趣旨があり、この趣旨に従った制度が「民事法律扶助制度」です。

あくまでも立替制度であるため、当然返済をしなければいけません。しかし、柔軟な返済方法に対応しているため、無理なく債務整理費用を支払える点が特徴です。

法テラスを利用するための4つの条件を解説

法テラスの利用条件

法テラスは、経済的困窮者が対象です。そのため法テラスでの債務整理を検討する場合、以下すべての条件を満たしていなければいけません。

法テラスの利用条件
  • 収入条件
  • 保有資産
  • 勝訴の見込み
  • 民事法律扶助制度に適していること

次に、法テラスを利用するための4つの条件について詳しく解説します。

1.収入条件を満たしていること

法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、収入が一定以下である必要があります。収入条件は、お住まいの地域によっても異なり、以下の収入内であることが条件です。

東京特別区・大阪市などにお住まいの方

家族人数収入
1人200,200円以下
2人276,100円以下
3人299,200円以下
4人328,900円以下

東京特別区・大阪市以外にお住まいの方

家族人数収入
1人180,200円以下
2人251,000円以下
3人272,000円以下
4人299,000円以下

なお、世帯人数が5人以上の場合、1人増えるごとに33,000円(東京特別区・大阪市)もしくは30,000円(東京特別区・大阪市以外)加算されます。

上記条件以上の収入がある世帯であっても、医療費や教育費を支払っているなど、やむを得ない事情がある場合は基準を満たす可能性もあるため、まずは相談してみましょう。

また、家賃や住宅ローンの支払いがある人は以下金額を控除されます。

東京特別区・大阪市などにお住まいの方

家族人数家賃・住宅ローンの控除限度額
1人41,000円(※53,000円)
2人53,000円(※68,000円)
3人66,000円(※85,000円)
4人71,000円(※92,000円)
※東京都特別区にお住いの場合は()内の基準が適用されます。

2.保有資産が一定額以下であること

法テラスの民事法律扶助制度は、制度の性質上保有資産が一定以下であることが条件です。保有資産基準については、以下のとおりです。

家族人数資産基準
1人180万円以下
2人250万円以下
3人270万円以下
4人300万円以下

なお、上記資産基準を超える資産を所有している世帯であっても、各家庭の事情を個別に判断し、民事法律扶助制度を利用できる場合があります。自分が条件を満たしているかどうか、法テラスへ相談をしたうえで確認してみても良いでしょう。

3.勝訴の見込みがあること

法テラスの民事法律扶助制度を利用するためには、「勝訴の見込みがあること」が条件です。勝訴とは、裁判で勝利することを指します。

任意整理の場合、交渉であるため「交渉のうえで減額の可能性があるか?」で判断されます。個人再生であれば、再生計画認可の可能性、自己破産であれば免責許可決定を受けられる可能性を考慮して判断されます。

任意整理や個人再生の場合は「勝訴の見込みがある」と判断されやすいです。一方で、自己破産は自己破産に至る理由次第では、「勝訴の見込みがない」と判断される可能性があります。

自己破産は、原則免責を認めない「免責不許可事由」というものがあります。たとえば、ギャンブルや過度な浪費で作ってしまった借金は、免責不許可事由に該当し原則免責許可がおりません。

原則免責許可がおりないと法律で定められている以上、「勝訴の見込みがない」と判断できます。そのため、自己破産の場合は民事法律扶助制度を利用できない可能性があるため注意が必要です。

ただし、免責不許可事由に該当する場合であっても裁判官の判断で免責許可を出せる「裁量免責」があります。裁量免責で免責許可がおりる可能性があると判断された場合は「勝訴の見込みがある」と判断され、民事法律扶助制度を利用できるでしょう。

4.民事法律扶助制度に適していること

民事法律扶助制度は、あくまでも経済的な事情で弁護士や司法書士等へ相談ができない人を対象に法的なサポートを行うためにある制度です。そのため、民事法律扶助制度に適していない場合は利用できません。

たとえば、報復的感情を満たす目的での利用はできません。この点、債務整理はさまざまな事情で借金返済が困難になり、法的サポートを希望していることを鑑みると民事法律扶助制度に「適している」と判断されやすいです。

法テラスで債務整理を依頼する流れを解説

法テラス債務整理の流れ

次に、法テラスで債務整理を依頼する場合の流れについて詳しく解説します。法テラスで債務整理を依頼する大まかな流れは、以下のとおりです。

法テラスに債務整理を依頼する流れ
  • WEB・電話から予約する
  • 相談の予約を取る
  • 面談(相談)を受ける
  • 審査を受ける
  • 契約・手続き開始

1.WEB・電話での問い合わせ

法テラスへ債務整理の相談をする際は、初めにWEBもしくは電話での問い合わせが必要です。お住まいの地域の法テラスを選択し、問い合わせを開始します。

WEB予約・問い合わせに対応していない地域があります。対応していない地域に住んでいる人は、電話による問い合わせしかできません。地域によって、受付対応時間・受付対応曜日が異なるため、事前に以下サイトから相談先を確認しておきましょう。
お近くの法テラス(地方事務所一覧)

2.法律相談の予約をとる

お住まいの地域の法テラスを確認し、電話もしくはWEBにて相談予約を取ります。法テラス事務所もしくは法テラスと提携している弁護士・司法書士事務所等で相談ができる他、オンライン相談に対応している地域・事務所もあります。

近くに法テラスや弁護士・司法書士事務所がない方は、電話やオンラインによる相談を検討されてみてはいかがでしょうか。

3.面談を受ける

予約日時になりましたら、弁護士・司法書士事務所へ行って面談を受けます。先ほども解説したとおり、オンラインや電話による相談ができるケースもあるため、この場合は指定日時に面談できる状況にしておきましょう。

なお、面談を受ける際は相談内容に応じた書類の準備をしておくとスムーズです。債務整理の場合は、以下の書類を準備しておきましょう。

準備しておく書類
  • 債務状況がわかる書類
  • 訴状
  • 請求書
  • 資産状況・収入証明書類

たとえば、債権者(お金を貸している側|相手側)から届いた督促状や請求書、裁判手続に発展している場合は訴状等の準備をしておくと良いです。すべてを用意しておく必要はなく、あくまでも現状で用意できる範囲で大丈夫です。

また債務整理は、弁護士や司法書士への相談のみで解決できません。そのため、弁護士・司法書士への依頼が前提となります。

民事法律扶助制度の利用を検討されている人は、現在の資産状況がわかる書類や収入証明書類の準備をしておくとスムーズです。民事法律扶助制度を利用するためには、資産・収入条件があるためです。

なお、初回相談は時間が限られているため、相談内容を整理しておくと良いでしょう。緊張して記憶が曖昧になったり伝え忘れがあったりしないよう、あらかじめ伝えたいことをメモしておくことも有効です。

たとえば「債務整理を検討しているが、どの整理手続きが有効なのかわからない」や「任意整理を検討しており、民事法律扶助制度を利用したい」など、悩みや希望を明確にしておいたほうがスムーズに面談が終了します。

相談できる時間は1回あたり30分、同一の法律問題で3回までです。相談料はかかりません。なお、初回相談時は申込書の記入が必要となるため、時間に余裕を持って相談に行きましょう。

4.民事法律扶助制度の審査を受ける

法律相談実施から1か月以内に「援助申込書及び法律相談票」を法テラス地方事務所へ提出します。地方事務所とは、お住まいの地域を管轄する法テラスです。提出方法は以下のとおりです。

  • 郵送
  • FAX
  • 持参

その後、審査が行われます。民事法律扶助制度を利用するための条件を満たしているかどうか確認され、審査に通過した人のみ利用できます。審査は2週間〜1か月程度の時間がかかります。

民事法律扶助制度への申し込みは、弁護士・司法書士への委任ではありません。そのため、申し込み後も借金返済義務は継続しますし、支払いが滞れば督促等の連絡があります。

5.契約、手続き開始

審査に通過して援助開始決定がなされた場合は、弁護士もしくは司法書士と契約を締結します。契約締結後は、速やかに重要事項証明書および個別契約書(弁護士・司法書士から渡されます)を法テラス地方事務所へ提出します。

契約が完了した時点で法律業務が開始される流れです。任意整理であれば交渉が開始され、個人再生や自己破産であれば書類準備・申立てが開始されます。

なお、弁護士・司法書士と委任契約を締結した時点で借金の取り立ては停止します。これは、貸金業法第21条に基づいています。

【貸金業法第21条9項 取立て行為の規制】
債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。

(引用元:貸金業法│第21条

ただし、委任契約締結後、弁護士・司法書士から債権者(相手方)に受任通知を送付・到着するまでに数日程度かかる場合があります。この間に支払い遅延等があった場合は、督促が行われるため注意しなければいけません。

電話にて督促が行われた場合は「〇〇法律事務所へ債務整理の依頼をして、正式受任してもらっています」と伝えることで、取り立て行為が停止されます。つまり、弁護士・司法書士等の代理人が介入したことを知った時点で取り立ては止まるため、知識として覚えておきましょう。

法テラスで債務整理をできない場合の対処法

法テラスで債務整理できない場合はどうすればいいのか

法テラスの民事法律扶助制度は一定の条件を満たしていなけえば利用できません。中には法テラスの利用条件を満たさず、さらに自分自身で債務整理費用を捻出することが難しく、悩まれている人も多いのではないでしょうか。

上記の悩みを抱えている人は、以下の対処法を検討してみると良いでしょう。

  • 法律事務所の分割制度を活用する
  • 司法書士への依頼を検討する

次に、法テラスの債務整理を利用できない場合の対処法について詳しく解説します。

法律事務所の分割制度を利用する

法律事務所では、債務整理費用を分割払いにしてくれる制度を取り入れているところが多いです。そのため、まずは弁護士もしくは司法書士事務所へ相談をしたうえで、債務整理費用を分割払いしていくことを検討してみましょう。

とはいえ、「借金の返済もできないのに、たとえ分割でも債務整理費用は支払えない」と考えている人も多いのではないでしょうか。このような不安を抱えている人でも、安心して債務整理を依頼できる方法があります。

まず、債務整理を依頼して委任契約を締結すると、弁護士や司法書士から債権者(相手方)に対して「受任通知」というものを送付します。受任通知とは、「債務者(本人)の債務整理手続の代理人となりました。これからは、債務者本人に直接連絡せず当事務所を通してください」といった通知です。

債権者は弁護士や司法書士が介入したことを知った時点で、債務者に対して連絡をしたり郵送物を送付したりできなくなります。つまり、取り立てが一時的にストップするということです。

そのため、これまで債権者に対して支払っていた金銭の一部を弁護士・司法書士への報酬(債務整理費用)として支払えるのです。このことから、現時点で債務整理費用を捻出できるだけの経済力がなくても、直ちに弁護士・司法書士へ相談をするべきなのです。

司法書士への依頼を検討する

債務整理を代理できるのは弁護士もしくは認定司法書士のみです。弁護士と司法書士を比較した場合、司法書士のほうが債務整理費用を抑えられます。そのため、費用捻出が難しい人は司法書士への相談を検討したほうが良いでしょう。

ただし、認定司法書士は簡易裁判所しか代理権を与えられていませんので、1つの債務に対して140万円までという制限があります。140万円を超える債務の整理手続きを検討する場合は、弁護士への相談が必要となるため注意してください。

料金制限
弁護士司法書士と比較して高いなし
認定司法書士弁護士と比較して安い1社140万円以下

簡易裁判所は訴訟額が140万円以下の事件を扱う裁判所です。訴訟額が140万円を超える場合は、地方裁判所が管轄となります。認定司法書士は簡易裁判所の代理権しか与えられていないため、地方裁判所の場合は本人の代理として出廷することができません(書類作成の代行は可能です)。

なお、司法書士は比較的安く抑えられますが、相談先事務所によって料金は大きく異なります。複数の司法書士事務所を比較検討し、相談先を決定しましょう。

法テラスで行う債務整理に関するよくある質問

法テラス債務整理のよくある質問

法テラスで行う債務整理についてよくある質問を3つ紹介します。

法テラスで債務整理をするデメリットはありますか?

法テラスで債務整理をするデメリットは、「審査に時間がかかること」です。

本記事でお伝えしているとおり、弁護士や司法書士へ整理手続きを委任した時点で取り立ては止まります。しかし、法テラスの場合は相談〜契約まで期間が空いてしまいます。この間に支払いが滞っても取り立ては止まりません。

現在、債務整理を検討されている方の多くは、返済に悩んでいたり毎日の督促にストレスを感じていることでしょう。「できるだけ早くこの状況から解放されたい」と考えている人も多いのではないでしょうか。

自分で弁護士や司法書士へ直接依頼した場合は、最短即日取り立てが止まります。しかし、法テラスの場合は期間が空いてストレスが長引くためデメリットであると言えるでしょう。

法テラスはどのような位置付け、仕組みで運営されているのですか?

「経済的に余裕がない人のための法律相談窓口」という位置付けです。

法律相談を行う場合は、弁護士や司法書士へ報酬を支払わなければいけません。しかし、経済的な事情で弁護士等への相談が難しい人でも安心して相談できる環境を作るため、国が法律相談窓口として法テラスを設立しています。

通常、弁護士や司法書士へ相談をする場合、30分あたり5,000円〜1万円程度の相談料がかかります。さらに、正式に依頼する場合は着手金や報酬など数十万円以上の費用を支払わなければいけません。

とくに借金問題で悩まれている人の多くは、弁護士等へ支払う費用を捻出できずに悩んでいる人が多いです。そういった人でも安心して法律相談ができるようにある法人です。

法テラスと提携している弁護士・司法書士事務所は、相談者から相談料は受け取りませんが、法テラス(国)が支払いを行います。そのため、弁護士や司法書士といった専門家が無償で相談を受けるわけではありません。

法テラスと自分で選任した弁護士どちらへ相談をするべきですか?

法テラスと自分で選任した弁護士、それぞれにメリット・デメリットがあります。詳しくは、以下のとおりです。

スクロールできます
メリット デメリット
法テラス・費用の立替制度がある
・債務整理費用を抑えられる
・3回まで相談料が発生しない
・利用条件がある
・債務整理に強い弁護士とは限らない
・相談から受任まで時間がかかる
自分で選任した弁護士・利用条件がない
・相談・受任直後に取り立てが止まる
・自分で弁護士を選べる
・費用相場がやや高め

法テラスは無料相談ができたり、費用を抑えられたりする点が大きなメリットです。一方で、本記事でも解説しているとおり、初回相談から受任まで時間がかかります。

そのため、とくに「今すぐ取り立てを止めたい!」と考えている人からすると大きなデメリットです。また「お客さん→法テラス→専門家」と相談をすると、専門家を選べません。

そのため、必ずしも債務整理に強い弁護士が選任されるとは限らない点に注意が必要です。とくに任意整理のように交渉が必要である手続きの場合は、債務整理に強い弁護士への相談が必要です。

自分で選任した弁護士の場合、自分である程度調べてから相談ができます。また、委任契約を締結してしまえば、直ちに取り立てを止められる点が大きなメリットです。一方で、法テラスを利用した場合と比較して費用相場はやや高めです。

上記のメリット・デメリットを把握したうえで自分に合った相談先を検討してみると良いでしょう。

法テラスによる債務整理のまとめ

今回は「法テラスで債務整理の無料相談はできるのか?」について解説しました。

法テラスは、1回30分、3回まで法律の無料相談ができます。費用はかからないため、経済的に困窮していて弁護士等への相談を躊躇している人からすると大きなメリットがあります。

しかし、債務整理は弁護士や司法書士への相談のみで解決できるわけではありません。債権者との交渉や法的手続きが必要となるため、法テラスを介して無料で債務整理することはできません。

ただ、民事法律扶助制度と言い、債務整理費用を立て替えてくれる制度があるため検討してみる余地があるでしょう。

今回解説した内容を踏まえて、法テラスへの相談を検討してみてはいかがでしょうか。同時に、自身で見つけた弁護士への相談も検討してみましょう。

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