自己破産を検討していると、「家族にどのような影響があるのか?」という不安を抱える方は少なくありません。とくに「自己破産すると家族はどうなるのか」「親が自己破産したら子供はどうなるのか」といった疑問は多く、家族への影響を心配して手続きをためらうケースもあります。
しかし、基本的には自己破産の影響は破産者本人に限定され、家族の財産や生活に直接的な不利益は生じません。たとえば、家族名義の不動産や貯蓄、子ども名義の学資保険などは原則として処分されず、日常生活に大きな支障はありません。
ただし、住宅ローンが残る持ち家や保証人・連帯保証人になっている債務がある場合は、間接的に家族に影響が及ぶ可能性があります。また、破産手続きを行う際には同居家族には裁判所への書類提出や収入状況の報告などで知られることもあるため、適切な準備と専門家への相談が重要です。
家族への影響を最小限に抑えたい場合は、自己破産以外の選択肢として個人再生や任意整理といった債務整理手続きも検討できます。本記事では自己破産が家族に及ぼす影響や、家族に知られる可能性、影響を最小限にする方法について詳しく解説します。
自己破産しても家族に直接的な不利益はない

自己破産をしても家族への影響は発生しません。自己破産という手続きは、「破産者の所有する一定以上の財産を換価処分する代わりに、債務を免責にする」という手続きです。
【一定以上の財産とは】
一定以上の財産とは、新得財産や差押禁止財産以外の財産を指します。新得財産とは、破産手続き開始決定後に取得した財産、差押禁止財産とは民事執行法によって差押を禁止されている財産を指し、一定以上の現金や生活に必要となる財産、仕事をするうえで必要な財産等を指します。
【換価処分とは】換価処分とは、差し押さえた財産を公売等によって売却し、現金化したうえで債権者に平等に分配することを指します。換価処分の対象となる財産を所有している場合は、破産財団に属することとなり、処分されます。
【「債務を免責にする」とは】
債務とは、借金のことを指します。免責とは、返済義務を免除することを指します。つまり、借金の返済義務を免除することを「免責」と呼びます。
自己破産によって処分対象となる財産は破産者本人が所有するもののみであり、家族への直接的な影響はありません。
まずは、「自己破産をすると家族へどのような影響を与えるのか?」について、もう少し詳しく解説します。家族への影響を懸念されている人は、ぜひ参考にしてください。
影響があるのは自己破産者本人のみ
自己破産によって直接的な影響を受けるのは、本人のみです。本人が所有する財産は、処分しなければいけませんが、家族の財産や資産に影響はありません。
たとえば、破産者本人名義の不動産や自動車等は、すべて換価処分の対象になり得ます。一方で、家族名義の不動産に一緒に住んでいる場合は、換価処分の対象とはならないため安心してください。
破産しても家族の財産・資産に影響はない
先ほども解説したとおり、家族の財産や資産に影響はありません。同居・別居も関係なく、たとえ同居している家族であっても、財産等が処分されることはないため、家族への直接的な影響はゼロであると思っておいて良いです。
ただし、偏頗弁済や財産隠しの可能性がある場合は、家族の財産を調査したうえで差押の対象となったり免責許可決定を受けられなかったりする可能性があります。
偏頗弁済とは、「一部の債権者のみに弁済する行為」を指します。自己破産をする際は、すべての債権者に対して換価処分した財産を平等に分配しなければいけません。
しかし中には「家族には迷惑をかけたくない」という理由から、家族からの借金を申告しなかったり、家族にのみ返済を継続したりしてしまう人がいます。このような行為は、他の債権者との平等性を保てないことから、偏頗弁済として禁止されています。
免責許可決定を受けることによって、債務の返済義務は免除されますが、「返済してはいけない」という法律はありません。そのため、「家族に迷惑をかけたくない」と考えるのであれば、免責許可決定後に家族に対して返済をするようにしましょう。
財産隠しとは、破産者本人の財産を隠す行為を指します。財産隠しは、免責不許可決定を受けるだけではなく、「詐欺破産罪」という犯罪が成立する可能性があります。
たとえば、「自分名義の不動産に住み続けたい」という理由から、破産手続き開始前に不動産を家族名義に変更するような行為です。他にも、持っていた現金を家族の口座に移し替えたり、家族のお金であると偽ったりする行為が該当します。
これらの疑いがかけられた場合は、財産の所在を明らかにするために家族の資産や財産を調査したうえで、換価処分の対象となる可能性があるため注意しましょう。
【ポイント】
働くことのできない子どもの預貯金は、処分の対象となる可能性があります。たとえば、子ども名義で破産者が貯蓄をしていた場合です。よくある例としては、破産者が契約者となっている学資保険です。破産者の財産と見なされて処分対象となり得ます。
親が自己破産した場合の子どもへの影響とは

親が自己破産をしても、子どもへ直接的な影響はありません。しかし、間接的には以下のような影響が発生する可能性があります。
・保証人、連帯保証人になれない
・引っ越しをしなければいけない
・家族カードを利用できない
自己破産をすることによって「子どもの就職・進学に影響を与えるのではないか?」「子どもが行き辛くなるのではないか?」といった不安や疑問を抱えている人も多いでしょう。しかし、実際にある影響としては、間接的なものであり、直接的な影響はないため安心して手続きを進めてください。
次に、親が自己破産をした場合の子どもへの影響についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
自己破産者は保証人・連帯保証人になれない
自己破産をした破産者は、個人信用情報機関に「異動情報(金融事故情報)」が記載されてしまいます。このことにより、今後、保証人や連帯保証人になることが難しくなります。
異動情報掲載期間は、個人信用情報機関によって異なります。
個人信用情報機関 | 掲載期間 |
---|---|
CIC | 5年 |
JICC | 5年 |
KSC | 7年 |
たとえば、子どもが奨学金を借りる際に保証人が必要となった場合、通常は親が保証人もしくは連帯保証人になります。しかし、個人信用情報機関に異動情報や官報情報が掲載されていることを理由に、保証人や連帯保証人としての契約を断られる可能性があります。
結果的に、子どもが奨学金を借りられない可能性があるため、間接的な影響が発生するでしょう。
引っ越しをしなければいけない可能性
住宅ローンが残っている家に住んでいる場合、自己破産をすることによってその家に住み続けることが難しくなります。そのため、引っ越しをしなければいけません。現在住んでいる家の近くに引っ越しをできれば良いですが、難しければ転校の検討も必要になるでしょう。
住宅ローンが残っていない家の場合、家の資産価値によって住み続けられるかどうかが異なります。資産価値が一定以下の場合は、処分せずに済みます。まずは、弁護士や司法書士へ借金相談をしたうえで今後の影響等を考慮したうえでの対応方法を検討しましょう。

破産後は家族カードを利用できなくなる
子どもが破産者名義の家族カードを利用していた場合、今後、家族カードを利用できなくなります。なぜなら、破産手続き開始決定と同時にクレジットカードの利用はできなくなり、強制解約となるためです。
子ども自身がクレジットカードを発行できる年齢にあれば、自分自身でクレジットカードを契約することが可能であるため、検討されてみてはいかがでしょうか。
自己破産で家族に影響が及ぶ可能性があるケース

自己破産をしても、直接的に家族に影響が出ることはありません。しかし、以下のとおり間接的に影響を及ぼす可能性があります。
・持ち家に住んでる場合
・保証人や連帯保証人がいる場合
・配偶者や家族の財産が名義貸しの場合
・子どもの教育、進学資金がある場合
・周囲に知られる可能性がある
次に、自己破産で家族に影響を与える可能性についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
持ち家に住んでいる場合
破産者名義の持ち家に住んでいる場合は、その持ち家も換価処分もしくは抵当権実行によって手放さなければいけません。
状況 | 持ち家を失う理由 |
---|---|
住宅ローンが残っている場合 | 抵当権の実行 |
住宅ローンが残っていない場合 | 資産価値がある場合は換価処分の対象 |
住宅ローンが残っている不動産の場合、銀行の抵当権が設定されています。自己破産を行うことによって、抵当権が実行されるため持ち家は競売にかけられて失います。住宅ローンが残っていない場合であっても、資産価値がある場合は換価処分の対象となるため、持ち家を失ってしまいます。
不動産の場合、建物自体に価値がなくても土地に対して資産価値が認められるケースが多いです。そのため、自己破産をすることによって、持ち家を失う可能性が高いと考えておいたほうが良いでしょう。
同居家族がいる場合は、家族全員がその家をでなければいけないため、間接的な影響が発生し得ます。
なお、同居家族が破産者の持ち家を買い取ることが可能です。無償で名義変更をしてしまうと、財産隠しの疑いをかけられてしまう可能性があるため、まずは弁護士や司法書士といった専門家へ相談をしたうえで適切な対応を検討してください。
保証人や連帯保証人がいる場合
破産者の債務に保証人や連帯保証人が設定されている場合は、その人に残債の請求が行われます。たとえば、破産者が奨学金の連帯保証人(A)や保証人(B)となっている場合、免責許可決定に伴って、奨学金の請求がAさんもしくはBさんにいくこととなります。
奨学金の連帯保証人や保証人は家族や親族が設定されることが多いため、このような状況である場合は、家族に影響が発生すると考えておいたほうが良いでしょう。
なお、保証人と連帯保証人を同義で考えられている人も多いですが、実際はまったく異なります。
保証人 | 連帯保証人 | |
---|---|---|
催告の抗弁 | 可能 | 不可能 |
検索の抗弁 | 可能 | 不可能 |
返済金額 | 保証人の数で割れる | 全額弁済義務 |
催告の抗弁とは、たとえば貸金業者が保証人に対して請求を行った場合、保証人であれば「まずは主債務者に請求してください」と言えます。しかし、連帯保証人の場合は、上記のような主張は認められず、請求された時点で返済義務を負います。
検索の抗弁とは、たとえば貸金業者が保証人に対して請求を行った場合、保証人であれば主債務者に返済できる資力があることを理由に、支払いを拒否できます。しかし、連帯保証人は貸金業者から請求された時点で返済義務を負います。
返済金額については、保証人の場合は保証人の頭数で割った金額をそれぞれ支払う旨を主張できます。連帯保証人の場合は、すべての人が全額を返済しなければいけません。
上記のように、連帯保証人のほうが重い責任を負います。とはいえ、自己破産は返済能力がないことを認められて免責許可決定が受けられるため、保証人か連帯保証人かに関係なく支払い義務が発生することを覚えておきましょう。
家族カードや共有名義ローンがある場合
破産者名義のクレジットカードで家族カードを発行している場合や、破産者が共有名義のローンを組んでいる場合は相手方や家族にも影響を与えます。
まず、破産者名義のクレジットカードで家族カードを発行している場合、破産手続きに伴って家族カードも利用できなくなります。このことにより、家族カードを持っている家族に影響を与えるでしょう。
とはいえ、家族自身がクレジットカードを発行する分にはとくに影響はありません。たとえ、身内に自己破産をしていた人がいたとしても、本人以外に影響はないため安心してください。
子どもの教育・進学資金がある場合
子どもの教育・進学資金がある場合、一定以上の金額については処分の対象になります。そのため、家族(とくに子ども)に対して影響を与える可能性があります。
たとえば、子どもの教育資金として銀行口座で貯蓄をしていたり、資産運用をしていたとしましょう。破産手続きにおいて「子どもの教育資金であるため、このお金は残しておきたい」と主張しても、処分の対象となるため意味がありません。
また、学資保険も処分の対象です。自己破産においては、貯蓄性のある保険の場合は処分の対象となります。学資保険もいわゆる貯蓄型の保険商品であり、処分の対象となるため注意しましょう。
周囲に知られる可能性がある
自己破産をすることによって、周囲に知られてしまう可能性があるため注意しましょう。知られる可能性のある主な人は、以下のとおりです。
・同居家族
・会社
同居家族の場合、自己破産をした事実が知られる可能性が高いです。知られたことによる、家族への直接的な影響は少ないものの、たとえば「借金があることを隠していた……」となれば、家族間での問題となる可能性があるでしょう。
家族に自己破産が知られてしまう主な原因は、「同居家族の収入状況」を裁判所に報告する必要があるためです。収入状況や書類の準備をするにあたって、家族の協力が必要不可欠となるため、同居家族には知られる可能性が高いと思っておきましょう。
自己破産は、会社にも知られてしまう可能性が高いです。なぜなら、「退職金見込額証明書」の提出をしなければいけないからです。退職金見込額証明書を発行するためには、会社へ相談しなければいけません。
上記のことから会社にも破産手続きを進めていることを知られてしまうかもしれません。このことにより、中には「会社にいづらくなってしまった……」という理由から、退職を選択する人がいるかもしれません。結果的に家族へ影響を与えることとなるでしょう。
自己破産を家族に隠せる?打ち明けるべき?

自己破産を検討している場合、「家族に隠しておくべきか、打ち明けるべきか……?」と悩んでいる人は多いと思います。現実的に見ると、同居家族に知られることなく破産手続きを開始することは困難です。しかし、同居していない家族であれば、知られてしまう可能性はゼロに近いです。
自己破産手続きが決して悪いことではないものの、後から知られてしまった場合に「どうして伝えてくれなかったのか?」といったトラブルが発生する可能性もあるでしょう。
次に、自己破産を家族に隠せるのか?打ち明けるべきなのか?についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
同居家族以外は基本的に知られない
同居家族以外であれば、自己破産は隠し通せます。同居家族の場合は、同居している家族の収入状況を裁判所に報告する必要があったり、車や住宅を失う可能性があったりすることを考慮すると、隠し通すのは相当難しいです。
しかし、同居していない家族であれば、知られる可能性は低いです。万が一にも知られる可能性を考慮するのであれば、以下のことが原因であると考えられます。
・官報情報の確認
・家族経営の会社に勤務
・世間話の流れ
自己破産をすると、破産手続きの過程において2回官報という国の機関誌に破産者の情報が掲載されます。このことによって知られてしまう可能性があります。
そして、家族が経営している会社に勤務している場合、退職金見込額証明書の発行等に伴い、自己破産を検討していることが知られてしまうでしょう。
また、世間話の流れで「車を手放した」など、些細な発言がきっかけで同居家族以外に知られてしまう可能性もゼロではありません。あらかじめ言い訳を考えておけば、知られる可能性は低いため、「絶対に知られたくない」と考えている人は、言い訳を考えておくと良いでしょう。
いずれ知られる可能性はゼロではない
同居家族や同居していない家族、いずれにしても知られてしまう可能性はゼロではありません。自己破産をすることによって、さまざまな影響が発生するため、あとから知られてしまった際に「どうして教えてくれなかったのか?」と、責められる可能性もあるでしょう。
そのため、家族との間柄にもよりますが、初めから正直に伝えておいたほうが良いかもしれません。
家族への影響を最小限にする債務整理手続きの選択肢

家族への影響を最小限に抑えたいと考えている人は、自己破産以外の選択肢も検討すべきでしょう。たとえば、持ち家を残せる「個人再生」や家族に知られることなく手続きを進められる「任意整理」といった手続きを検討されてみてはいかがでしょうか。
次に、自己破産以外の選択肢についても詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
個人再生は持ち家を残せる
住宅ローンが残っている人の場合、個人再生を検討することで住宅ローンを残したうえで債務整理手続きを行えます。減額できる金額は、自己破産と比較して劣るものの、「住宅を残せる」という点で見ると大きなメリットになり得ます。
個人再生 | 自己破産 | |
---|---|---|
減額できる金額 | 最大100万円まで | 全額免責 |
債務整理費用 | 60万円前後 | 30万円〜60万円 |
上記のとおり、減額できる金額のメリット面で見ると当然自己破産のほうが大きいです。費用面で見ても自己破産のほうが安く、メリットは大きいと言えるでしょう。
しかし、「住宅を残せる」という点で見ると、圧倒的に個人再生のほうがメリットは大きいです。「住宅だけは絶対に残したい」と考えている人は、個人再生を検討されてみてはいかがでしょうか。
任意整理は家族への影響がほとんどない
任意整理は、利息のみをカットして元金を原則3年〜5年程度で完済を目指す債務整理手続きです。減額できる金額は「利息のみ」であるため、個人再生た自己破産と比較するとメリットは少ないです。
しかし、特定の債務のみを整理できる点を考慮すると、経済状況や債務状況次第ではメリットとなり得ます。まずは、弁護士や司法書士へ相談をしたうえで、自分に合った債務整理おすすめの手続きを検討されてみてはいかがでしょうか。
自己破産のよくある質問

自己破産を検討されている人の中には、以下のような悩みを抱えている人は多いです。
・自己破産すると子どもは奨学金を借りられなくなりますか?
・家族や同居人も裁判所へ行かなければいけませんか?
・自己破産すると家族のクレジットカードは使えなくなりますか?
・家族に内緒で自己破産できますか?
・親が自己破産したら子どもの就職や結婚に影響しますか?
・自己破産したら家族は家を失いますか?
次に、自己破産を検討している人によくある疑問や不安を解消するためのQ&Aをいくつか紹介します。
Q.自己破産すると子どもは奨学金を借りられなくなりますか?
A.親の自己破産が原因で、奨学金を借りられなくなることはありません。
本記事で解説しているとおり、親が自己破産をしたとしても影響があるのは子どものみです。そのため、子どもが奨学金を借りられなくなることはありません。
ただし、親が自己破産をすることによって、破産手続きをした親は保証人や連帯保証人となることが難しくなります。つまり、親が保証人もしくは連帯保証人になれないことによる影響は少なからず発生し得るでしょう。
Q.家族や同居人も裁判所へ行かなければいけませんか?
A.家族や同居人は裁判所へいく必要はありません。
裁判所へ呼ばれるのは、破産手続きを行おうとしている本人のみです。たとえ、同居している家族や同居人であっても裁判所へいく必要はありません。
Q.自己破産すると家族のクレジットカードは使えなくなりますか?
A.破産者が主な契約者となっている場合は、利用できなくなります。
破産者が主な契約者となっている場合クレジットカードで、家族カードを発行している場合は、主契約者の解約に伴い家族カードも解約されます。一方で、たとえば破産者の配偶者が主契約者となっているクレジットカードの家族カードを破産者が所有している場合は、継続して利用できます。
Q.家族に内緒で自己破産できますか?
A.同居家族かどうかによっても異なります。
同居している家族の場合は、知られる可能性が高いです。一方で、同居していない家族の場合は内緒で手続きを進められる可能性が高いため、まずは弁護士への相談を検討されてみてはいかがでしょうか。
Q.親が自己破産したら子どもの就職や結婚に影響しますか?
A.ありません。
親が自己破産をしたとしても、子どもの就職や結婚に影響を与えることはないため安心してください。また、自分から勤務先や結婚相手に報告をしない限り、知られる可能性もゼロに近いため安心してください。
可能性として、過去を遡って官報を確認されてしまった場合は、知られてしまう可能性があります。このことによる影響が発生する可能性は否定できません。
Q.自己破産したら家族は家を失いますか?
A.持ち家の場合は家を失う可能性が高いです。
先ほども解説したとおり、持ち家の場合は住宅ローンの有無によって扱いが異なります。住宅ローンが残っている場合は、持ち家は失います。ローンを完済している場合は、住宅の資産価値によっては、換価処分の対象となります。
持ち家を失いたくない場合は、個人再生や任意整理といった債務整理手続きの検討が必要になるでしょう。
自己破産をすると家族はどうなる?まとめ
自己破産は破産者本人の財産を換価処分し債務を免責する手続きであり、原則として家族への直接的な影響はありません。家族名義の不動産や口座、子どもの学資保険などは処分対象にならず、日常生活や資産に大きな支障は生じません。
しかし、破産者が持ち家に住んでいる場合や住宅ローンが残っている場合、保証人や連帯保証人になっている債務がある場合は、家族に間接的な影響が及ぶ可能性があります。また、同居家族には裁判所への書類提出や財産調査の関係で知られる場合があります。
家族への影響を最小限にする方法として、持ち家を残せる個人再生や家族に知られず特定の債務を整理できる任意整理といった手段もあり、状況に応じた選択が可能です。
自己破産による不利益が家族に及ぶケースは限定的であり、奨学金や就職・結婚など子どもの生活に直接影響することはありません。家族への影響や手続きの詳細を正しく理解し、弁護士や司法書士などの専門家に相談することで安心して自己破産を進めることができます。
本記事を参考に、家族への影響を把握したうえで最適な債務整理の方法を検討してください。

当事務所では法律のプロとして、専門知識を活かした問題解決を行っています。勝ち負けだけではなく、先を見据えた真の解決をご提案しています。
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